こじれた呼吸器の病気や、消化器の病気に用いる漢方薬で、基本処方である小柴胡湯と桂枝湯を合わせた処方が柴胡桂枝湯です。
長びくかぜで微熱と寒気を感じ、頭痛などに効果があり、食欲不振、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、腹痛を伴う胃腸炎、胆石、肝炎、関節の痛み、はき気など上部消化器系の病気にも適応し、体の熱や炎症をひき、また痛みをやわらげる働きをします。
少し体力が落ちている人で、ミゾウチから肋骨下部が張り胸苦しさのある人に向きます。
【配合生薬】
柴胡(さいこ):5g、半夏(はんげ):4g、桂皮(けいひ):2~3g、芍薬(しゃくやく):2~3g、黄ごん(おうごん):2g、人参(にんじん):2g、大棗(たいそう):2g、甘草(かんぞう):1.5~2g、生姜(しょうきょう):1g
柴胡と黄ごんの組み合わせにより、消炎、解熱、抗菌作用をもち、炎症をしずめ、桂皮は熱や痛みを発散させます。特に柴胡は、往来寒熱を呈する発熱を緩解します。
鎮静作用のある半夏は胸のつかえ感や吐き気をおさえる生薬で、痛みをとる芍薬、滋養作用のある人参、炎症や痛みを緩和する甘草などが配合され、これらの相乗効果で、よりよい効果を発揮します。
【適応症】
微熱・さむけ・頭痛・吐き気などのある感冒、かぜの後期の症状、胃腸炎、胃痛、胃酸過多症、神経痛、腹痛、胸膜炎や、消化性潰瘍・胆のう炎・胆石・肝機能障害・膵臓炎などのけいれん性の痛みを改善します。微熱、自然発汗、寒気、頭痛、関節痛、食欲不振、吐き気などをともなう人に用いられます。
【使用上の注意事項】
発疹やかゆみなどの過敏症状が現れることがあります。
妊婦は使用できない場合があるので、医師または薬剤師に相談してください。