安中散 アンチュウサン

人体を上中下に3分すると、中は胸膈の下部から上腹部に相当し、安中散は胃・肝臓・膵臓・胆嚢などの臓器のある部分を指し、「中を安んずる」ことを目的とする安中散は胃腸のみにこだわらず、胆石痛や膵炎に用いることもあります。

 

胃腸を温めて痛みをとる漢方の胃腸薬で、冷え性でやせ型、神経質な方で、食後胃がもたれて痛み、胸やけ、ゲップ、食欲不振などを改善し、体力のあまりない人に向いています。
また、神経の使いすぎから胃の調子をくずす方に効果があります。

【配合生薬】
桂皮(けいひ):3~5g、延胡索(えんごさく):3~4g、牡蛎(ぼれい):3~4g、茴香(ういきょう):1.5~2g、甘草(かんぞう):1~2g、縮砂(しゅくしゃ):1~2g、良姜(りょうきょう):0.5~1g

 

甘草・牡蠣以外は温性の薬物で構成され、服用すれば血行がよくなり、冷えを改善します
鎮痛作用が強い延胡索は胃の痛みをおさえ、炎症や痛みを緩和する甘草、胃酸を中和する牡蛎、そのほか、消化管の運動をよくし健胃作用のある桂皮や茴香、縮砂、良姜などが配合され、これらの相乗効果で、よりよい効果を発揮します。

 

【適応症】
胃痛や腹痛、胸やけ、げっぷ、食欲不振、吐き気などの症状をともなう場合の神経性胃炎、胃酸過多、胃潰瘍、慢性胃炎、胃アトニー、胃下垂などに用いられます。
冷え症で神経質またはやせ型で腹部の筋肉が弛緩する傾向にある人に用いられます。

 

【使用上の注意】
発疹やかゆみなどの過敏症状が現れることがあります。
尿量が減少する、顔や手足がむくむ、まぶたが重くなる、手足がこわばる、だるくて手足に力が入らない、手足がひきつるなどの症状が出た時は担当の医師または薬剤師に相談してください。

直葬・天国への引越