どくだみ・十薬 (じゅうやく)

どくだみは薬草として、日本の薬草の中では、身近で簡単に入手しやすく副作用がほとんどないこと、そしてその優れた薬効で、民間治療薬としてさかんに用いられてきました。


どくだみの生薬名の十薬(じゅうやく)は十種の薬効があるところからつけられたといわれるほど、万能な効能をもっています。

 

どくだみの名前はその臭いが毒の入っている植物、毒を溜めている植物(どくだめ)と呼ばれるようになり、このどくだめが変化してどくだみになったといわれていますが、どくだみとは俗称で、江戸時代中頃以前は“之布岐(シブキ)”というのが正式な名称で、俗称のどくだみは毒を抑えるという意味の毒矯みからきているという説もあります。

 

このどくだみの独特な臭いは抗菌成分のデカノイルアセトアルデヒドとラウリルアルデヒドで、葉や茎をすり潰して得た青汁を塗れば、切り傷、オデキ、ニキビ、蓄膿症、水虫、皮膚病などに優れた薬効を示し、青汁や乾燥どくだみを煎じた汁を服用すると、高血圧、肩こり、便秘を改善します。

 

デトックスの効果や利尿作用により膀胱炎や腎炎にもよく、毛細血管の強化は、高血圧による脳出血の予防になり、多くの病気に対しても改善する効果があります。

 

また、体に取り入れやすくという事では、どくだみ茶が便利です。
乾燥させたどくだみ茶には抗菌作用はありませんが、葉、茎、花穂にエルチトリン、イソクエルチトリンなどのフラボノイド系の成分を含み、これらに、利尿作用、緩下作用、消炎作用、毛細血管を強化し、血管を拡張するなどの効能があります。

 

どくだみ茶の作り方としては、白い花を咲かせる6~7月に摘み取ります。
当たり前ですが、なるべく清浄な場所に生えているどくだみを採ってきます。


水でよく洗い汚れを落として、雨や夜露の当らない風通しの良い軒下に数日の間、吊るして陰干し乾燥させます。


晴天の夏なら3~5日。普通は1週間から10日くらいかかります。

 

ぱりぱりに乾燥したら出来上がりで、小さく刻んで缶などに保管しておきます。


乾燥したどくだみは、特有の臭気が弱くなって、独特の味わいのどくだみ茶が出来上がります。

 

どくだみ茶を更においしく飲むには、どくだみを乾燥させすぎず、多少湿り気があるくらいで煎り、フライパンでゆっくり時間をかけると風味がよくなります。

 

水1リットルと乾燥したどくだみを大さじ1~2杯をやかんに入れ、火にかける。
沸騰したらとろ火で7,8分煮詰めて出来上がり。

 

どくだみ茶は通販でも飲みやすくして販売されていますので、手軽に入手することが可能なので、1ヶ月ぐらい試してみて、自分の体調に合いそうだったら、アイスでもホットでも年中を通して続けてみてください。

 

目安としては1日3回くらいにわけて飲み、空腹時に飲むと体への吸収率もいいです。温かいものを飲みます。

 

その他で体に良いお茶としては、はとむぎ茶や柿の葉茶がおすすめです。

地上部のどくだみをよく洗い4~5日程、陰干し乾燥させ水分とくさみを取ってから、20度~25度くらいのホワイトリカーに漬けて、どくだみ酒として飲むことも出来ます。


そして、それを薄めて化粧水を作ったり、洗顔に混ぜて使ったりすると、殺菌効果や消炎効果で、にきびやおできなど皮膚のトラブル防止にも役立ちます。


この重宝するどくだみを自分で栽培をしようと思う人は、この植物は繁殖力が強いので、プランター等を利用して、やや日陰の湿った場所で育てるのがよいかと思います。

どくだみを栽培する上で、大切なのが水分を切らさないことです。


夏は1日2回、その他は1日から2日に1回、水をやりましょう。
また、冬期はどくだみは枯れてしまっているように見えますが、実は根茎だけは生きていますので、1週間に1回は水を補給するようにしてください。

直葬・天国への引越