皮膚呼吸

人間の体は、皮膚で境をされているように見えるけれども、 皮膚なんて穴だらけなのでいかにも外とつながっていて呼吸をしていそうにも見えます。

 

しかし、医学的には人間は皮膚呼吸をしていないと言われています。

皮膚細胞が直接、外気とガス交換している可能性はゼロとは言えませんが、人間の皮膚からは汗腺や皮脂腺から老廃物が排泄されるだけで、それを阻害されたとしても死に至ることはありません。

 

映画007や、化粧品の宣伝文句から誤解されがちですが、化粧品などで言われる皮膚呼吸は、本来の呼吸(酸素と二酸化炭素の交換、ガス交換)を指すものではなく、水分と皮脂の分泌と蒸発という意味の新陳代謝を表していると思います。

 

さらに、火傷の面積が広いときにも同じようなことを言いますが、全身の皮膚が火傷した場合は体液の損失による脱水症状や体温調節ができないために起こる熱中症、細菌による感染症が原因です。


皮膚に塗料などを塗ることは実際に危険ですが、それは皮膚呼吸ではなく、汗腺や皮脂腺をふさぐことによる熱中症の危険性があるからです。

皮膚の構造と機能について

 

保護作用としては、全身をすっぽりとおおい、皮脂膜が有害な物質や細菌、カビ、アレルギー物質などの皮膚内侵入や水分の蒸発を防ぎ、人体を守っています。
日光の刺激はメラニン色素が吸収して体内への影響を抑えます。

 

分泌作用としては、皮膚は汗腺から汗を、脂腺から皮脂を分泌し、異物や体の中の老廃物の排泄も同時におこないバランスを保っています。

 

体温調節作用としては、暑くなると血液循環が促進され、発汗しやすくなり、この汗が乾くとき、体から気化熱を奪い体温を下げます。
逆に寒いときは、起毛筋を縮めて皮膚の表面積を小さくし、血管も収縮して体温の放散を防ぎます。

 

知覚作用としては、皮膚がものに触れると、さわったという感覚がおこり、外からの刺激に対して冷たい、熱い、痛いとかの感覚を生じ、それぞれの対応を脳に送り、反射的に処理してゆきます。

 

皮膚の構造は、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層から成り、皮下組織は結合組織とその空間を満たす脂肪細胞から成り立ち、皮下脂肪は体温保持に重要な役目をしています。


皮膚
皮膚を再生し紫外線、バイ菌、科学物質の侵入を防ぐ。
水分の蒸発防止。体温調節(余分な熱の70%を皮膚で発散)
汗と脂に老廃物や重金属を混ぜて体外に排出する大切な役目をはたしている。

皮脂膜
表皮の一番外側にあり水分を保つ重要なはたらきをしている。

角質層
皮脂膜の下にあり、ここにたっぷり水分(10%~20%)が含まれている。
基底層で生まれた細胞が4週間後に表面にでたものが角質層で、表皮細胞の死骸である。その後2週間でアカとなってはげおちる。

基底層
表皮の一番下にあり、新しい細胞を作っている。

表皮
「角質層・顆粒層・有棘層・基底層」の4層からできていて、表皮の厚さは0.2ミリ。
基底層の細胞の10個にひとつはメラニン細胞でここでメラニン色素がつくられている。表皮の下は真皮。

直葬・天国への引越